みんなの国防 2014 8 31
人類の歴史を振り返れば、
たとえば、直近の2,000年を見ても、
「私たちは平和主義者です。戦いません」と言っていた国は、
例外なく滅ぼされています。
今の日本人は、「アメリカが守ってくれる」と思っているでしょうが、
やがて、アメリカは退いていくでしょう。
記憶に新しいところでは、オバマ大統領が、
「アメリカは、世界の警察官をやめる」と演説しました。
これは、一過性のものではありません。
21世紀を通して、「退くアメリカ」を見続けることになるでしょう。
アメリカは、民主主義の国です。
大統領も、連邦議会も、国民のニーズに応えていかなければならないのです。
今のアメリカ社会は、アフガニスタン戦争、イラク戦争で、
厭戦気分が蔓延しています。
このような社会情勢がある上に、
アメリカ国民のニーズは、「経済」や「景気」です。
古きよきアメリカを形成していた中産階級は減少しつつあります。
その代わり、貧富の格差が激しいものとなっています。
まさかと思いましたが、アメリカで「階級闘争」がありました。
「ウォール街を占拠せよ」という大規模な運動が起こりました。
もうアメリカは、内政で忙しく、戦争ができない国になったと思います。
「大国は、内側から滅びる」
これは、歴史の鉄則です。
一方で、大陸では、昇竜のごとく、軍事力を拡大している国があります。
中国の軍事予算は、この10年間で、4倍近くになりました。
一方、日本の軍事予算は、この期間で「微増」というレベルです。
「退くアメリカ」と「拡大する中国」を見れば、
日本の未来が見えるでしょう。
何もしなければ、国が消える方向にあります。
もちろん、日本にも生き残る方法があります。
そのヒントは、江戸時代にあるかもしれません。
あの時代は、アジア諸国は、次々と欧州列強の植民地になっていました。
しかし、日本は、植民地にならなかったのです。
黄金の国ジパングと言われた日本にやってきた外国人は、
あることに気づいたでしょう。
日本の至る所に「武士」という兵士がいることに気づいたと思います。
その数は、100万人以上だったかもしれません。
100万人の陸軍兵士がいる国に攻め込んで、植民地にすることができるか。
それは、不可能だと思います。
現代においても、似たような国があります。
それが、永世中立国のスイスです。
スイスは、国民皆兵制の国なので、
スイス国民の男性は、全員兵士です。
誰もが、「こんな国に攻め込んでも損をする」と思うでしょう。
もちろん、日本は、スイスとは国土が違います。
海に囲まれていますので、陸軍よりも、海軍を増強した方がよいでしょう。
そうすると、多くの人が、空母が必要になると思うでしょうが、
費用対効果を考えれば、潜水艦がベストです。
現代における最強兵器は、潜水艦です。
さらに、潜水艦に巡航ミサイルを搭載すれば、万全の守りとなるでしょう。
「誰かが守ってくれる」ではなく、
「自分たちは、自分で守る」が、世界の常識です。
日本は、GDPで世界第3位、
その上、世界最大の債権大国です。
こんな「超大国」を守ってくれる国はありません。
「自分の国は自分で守れ」と言いたいどころか、
日本は、弱小国を守る義務があると言えるでしょう。
それが、「超大国」の責務というものでしょう。
今の日本は、体は大きいが、
「自分は子供なので、誰か守って」というような状態でしょう。
これほどの超大国なのに、これほど自己中心的な国は、
人類史上、存在しなかったでしょう。
「退くアメリカ」を見て、
「アジアの安全は、日本が守る」と言えなければ、
「日本は、体だけ大きくなった子供」と言わざるを得ないでしょう。
それが世界史に残るでしょう。